XHTML版 | HTML版 | DebugString | ||
![]() [「My Library!」81] 2024年9月18日 ![]() では今回のおすすめ本は……。 ■『八月の御所グラウンド』 万城目 学(著) 第170回直木賞受賞作品。万城目さんの名前は映画作品で(観たことはないけど)聞いたことがあるが、作品を読むのは初めてだ。「アイヤー」こんなにこんなにおもしろい小説を書く方だったとは……。随所にちりばめられたユーモアは、三浦しをんさんのようで、ぷっ!と何度も噴出してしまった。 『十二月の都大路上下ル』は、高校女子駅伝の全国大会に補欠から急遽先輩の代わりにピンチランナーとして走ることになった絶望的に方向音痴な女子高生の話。コスプレじゃなく本物?「アイヤー」幽霊?と並走するなんて。 『八月の御所グラウンド』は、借金のカタに、早朝の御所G(グラウンド)で野球大会(たまひで杯)に参加する羽目になった失恋間もない大学生。寄せ集めの9人ギリギリのチームが連勝していく……。「アイヤー」途中から飛び入り参加した3人は、あの人だったのね!大文字五山送り火の前に、「みんな野球がしたくて帰ってきたんだ……」 「世にも奇妙な物語」を2話観た感じ。 おすすめ度は、★5つ。 ■『成瀬は天下を取りにいく』 宮島 未奈 (著) 2020年、中2の夏休みの始まりに、幼馴染の成瀬がまた変なことを言い出した。コロナ禍に閉店を控える西武大津店に毎日通い、中継に映るというのだが……。M−1に挑戦したかと思えば、自身の髪で長期実験に取り組み、市民憲章は暗記して全うする。今日も全力で我が道を突き進む成瀬あかりから、きっと誰もが目を離せない。2023年、最注目の新人が贈る傑作青春小説! 2024年本屋大賞受賞作!宮島さんの作品は初読み。前評判どおり面白かった。本の帯にも書いてあった「かつてなく最高の主人公、現る!」まさにこれでした。中2から高校生までの、成瀬あかりの個性豊かな青春を描いた短編集。「人の目が気になる、やりたいことが分からない、何か正しい一歩を踏み出してみたい」という方におすすめ。 全部で6章まであり5章までは、成瀬以外の人物の視点で話が進んでいくのですが、そのエピソードの中で読者は、成瀬の魅力に引きつけられていきます。「意味がないことはやっちゃいけないの?」「上手にできなかったら人に披露しちゃいけないの?」「周りにどう思われるかってそんなに大事?」「自分がやりたいと思ったことをやってみたらいい、違うなと思ったらやめたいい」この作品を読むと好きなことを好きなようにやっていこうと、心から思える小説でした。ちなみに、作者の宮島皆さんは、これがなんとデビュー作なんです。彼女は京都大出身で、現在はこの小説の舞台になった滋賀県大津市に住んいます。ユーチューブで観たのですが、今回の受賞を受けて地元では、JRの駅に成瀬と島崎の看板が設置されたり、スタンプラリーなんかも開催されたりして、もう街をあげて大盛り上がりだそうです。 おすすめ度は、★5つ。 ――つづく。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 今回のおすすめN3は、第6556回終了現在、第6480回より76回出現なしの3桁プラス[15] 狙いで10点。 [069] [087] [159] [177] [249] [438] [654] [672] [681] [825] ![]() (C)イマジカインフォス
(C)Edia |
![]() [「My Library!」81] 2024年9月18日 ![]() では今回のおすすめ本は……。 ■『八月の御所グラウンド』 万城目 学(著) 第170回直木賞受賞作品。万城目さんの名前は映画作品で(観たことはないけど)聞いたことがあるが、作品を読むのは初めてだ。「アイヤー」こんなにこんなにおもしろい小説を書く方だったとは……。随所にちりばめられたユーモアは、三浦しをんさんのようで、ぷっ!と何度も噴出してしまった。 『十二月の都大路上下ル』は、高校女子駅伝の全国大会に補欠から急遽先輩の代わりにピンチランナーとして走ることになった絶望的に方向音痴な女子高生の話。コスプレじゃなく本物?「アイヤー」幽霊?と並走するなんて。 『八月の御所グラウンド』は、借金のカタに、早朝の御所G(グラウンド)で野球大会(たまひで杯)に参加する羽目になった失恋間もない大学生。寄せ集めの9人ギリギリのチームが連勝していく……。「アイヤー」途中から飛び入り参加した3人は、あの人だったのね!大文字五山送り火の前に、「みんな野球がしたくて帰ってきたんだ……」 「世にも奇妙な物語」を2話観た感じ。 おすすめ度は、★5つ。 ■『成瀬は天下を取りにいく』 宮島 未奈 (著) 2020年、中2の夏休みの始まりに、幼馴染の成瀬がまた変なことを言い出した。コロナ禍に閉店を控える西武大津店に毎日通い、中継に映るというのだが……。M−1に挑戦したかと思えば、自身の髪で長期実験に取り組み、市民憲章は暗記して全うする。今日も全力で我が道を突き進む成瀬あかりから、きっと誰もが目を離せない。2023年、最注目の新人が贈る傑作青春小説! 2024年本屋大賞受賞作!宮島さんの作品は初読み。前評判どおり面白かった。本の帯にも書いてあった「かつてなく最高の主人公、現る!」まさにこれでした。中2から高校生までの、成瀬あかりの個性豊かな青春を描いた短編集。「人の目が気になる、やりたいことが分からない、何か正しい一歩を踏み出してみたい」という方におすすめ。 全部で6章まであり5章までは、成瀬以外の人物の視点で話が進んでいくのですが、そのエピソードの中で読者は、成瀬の魅力に引きつけられていきます。「意味がないことはやっちゃいけないの?」「上手にできなかったら人に披露しちゃいけないの?」「周りにどう思われるかってそんなに大事?」「自分がやりたいと思ったことをやってみたらいい、違うなと思ったらやめたいい」この作品を読むと好きなことを好きなようにやっていこうと、心から思える小説でした。ちなみに、作者の宮島皆さんは、これがなんとデビュー作なんです。彼女は京都大出身で、現在はこの小説の舞台になった滋賀県大津市に住んいます。ユーチューブで観たのですが、今回の受賞を受けて地元では、JRの駅に成瀬と島崎の看板が設置されたり、スタンプラリーなんかも開催されたりして、もう街をあげて大盛り上がりだそうです。 おすすめ度は、★5つ。 ――つづく。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 今回のおすすめN3は、第6556回終了現在、第6480回より76回出現なしの3桁プラス[15] 狙いで10点。 [069] [087] [159] [177] [249] [438] [654] [672] [681] [825] ![]() (C)イマジカインフォス
(C)Edia |