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[「必当☆予想人W」第1話]

2021年3月17日
金に生きるは下品に過ぎる
恋に生きるは切なすぎ……
出世に生きるはくたびれる
とかくこの世は一天地六(サイコロ)
命ぎりぎり勝負を賭ける
予想はよろず引き受けましょう
大小遠近男女は問わず
委細面談予想屋裏稼業

江戸には、当たらぬ恨みを晴らす予想人と呼ばれる闇の稼業が密かに存在していた。

元締め「ほずみ」の富くじを当てるため、4人の予想師が立ち上がったのだ。


「花ふぶきが、桃色の雪のようでキレイばい」髪結いのパラは言った。

キラキラと輝く川面には、桜の花びらが落ち、ゆらゆらと小船のように流れていく。必当予想人のメンバーは、川辺を歩き花見を楽しんでいる。

コロリ菌がやっと収束し、不要不急の外出を控えていた人々は、桜の花が咲きほこる隅田川へ、花見見物に出かけた。川沿いには、だんご屋やあめ屋、金魚すくいに風鈴売りなどの出店がずらりと並んでいる。

一通りの見物をすませて小腹の空いた予想人の一行は、持って来た柏もちを食べる事にした。

よろずやのでーぶは、土手に座って柏もちを包んでいる皮(柏の葉っぱ)ごとパクパクとかぶりついている。

隣に座っていた請負人の新生菜は、ぐいと片眉をあげて横目で見ながら言った。

「でーぶさん。それはかわをむいて食べるんだよ」

すると、でーぶは、「おお、そうかい♪」と言って、川の方を向くと、柏もちを皮のついたまま口に放り込んだ。

そして、おもむろに一句詠んだ。
「『花びらが、抜きつ抜かれつ、競いあう』風流でござんしょ?」

お茶を飲んでた占い師の黒闇天女は、ぷっと噴き出して「皮と川まちがってんで〜」と大笑いした。

「『花びらも、浮いて沈んで、浮世かな』こっちの方がよかばい」とパラは言った。

浮世絵師のゴロは、さくらの「ら」の字は「0」でいいのだろうか?とゴロ合わせを考えている。「パラ親びん明日は、さくら『390』の花見『873』でなん三(ナンバーズ3)を買ってみるでしゅ〜♪」

よろずやのでーぶは、町の辻々で、二十文の小さな道具類などを、一文引く「十九文見世(みせ)」という安売りの店を始めた。

今の感覚で言えば「980円」とか、「98円」の世界だ。ちょっとお釣りの来る快感が、お客さんを呼んだようで、たちまち繁盛していった。

後世、でーぶの子孫は「価格破壊」をスローガンとし拡張路線を進め、現在では某スーパーとして全国的に展開している。

ひとつ!この仕事を通じて、お客さま全てのより豊かな暮らしに奉仕致します。

ひとつ!真心を込めて、よい品をどんどん安く売る事を働き甲斐と致します。

ひとつ!人を愛し、店を愛して、日々美しい努力を続けます。

この誓いの言葉を、朝礼で唱和しているそうだ。

──つづく。

今回のおすすめN3は、第5648回終了
現在、第5589回より59回出現なしの
3桁プラス[9]狙いで 5点継続。

[018] [090] [270] [324] [450]


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2021年3月17日
金に生きるは下品に過ぎる
恋に生きるは切なすぎ……
出世に生きるはくたびれる
とかくこの世は一天地六(サイコロ)
命ぎりぎり勝負を賭ける
予想はよろず引き受けましょう
大小遠近男女は問わず
委細面談予想屋裏稼業

江戸には、当たらぬ恨みを晴らす予想人と呼ばれる闇の稼業が密かに存在していた。

元締め「ほずみ」の富くじを当てるため、4人の予想師が立ち上がったのだ。


「花ふぶきが、桃色の雪のようでキレイばい」髪結いのパラは言った。

キラキラと輝く川面には、桜の花びらが落ち、ゆらゆらと小船のように流れていく。必当予想人のメンバーは、川辺を歩き花見を楽しんでいる。

コロリ菌がやっと収束し、不要不急の外出を控えていた人々は、桜の花が咲きほこる隅田川へ、花見見物に出かけた。川沿いには、だんご屋やあめ屋、金魚すくいに風鈴売りなどの出店がずらりと並んでいる。

一通りの見物をすませて小腹の空いた予想人の一行は、持って来た柏もちを食べる事にした。

よろずやのでーぶは、土手に座って柏もちを包んでいる皮(柏の葉っぱ)ごとパクパクとかぶりついている。

隣に座っていた請負人の新生菜は、ぐいと片眉をあげて横目で見ながら言った。

「でーぶさん。それはかわをむいて食べるんだよ」

すると、でーぶは、「おお、そうかい♪」と言って、川の方を向くと、柏もちを皮のついたまま口に放り込んだ。

そして、おもむろに一句詠んだ。
「『花びらが、抜きつ抜かれつ、競いあう』風流でござんしょ?」

お茶を飲んでた占い師の黒闇天女は、ぷっと噴き出して「皮と川まちがってんで〜」と大笑いした。

「『花びらも、浮いて沈んで、浮世かな』こっちの方がよかばい」とパラは言った。

浮世絵師のゴロは、さくらの「ら」の字は「0」でいいのだろうか?とゴロ合わせを考えている。「パラ親びん明日は、さくら『390』の花見『873』でなん三(ナンバーズ3)を買ってみるでしゅ〜♪」

よろずやのでーぶは、町の辻々で、二十文の小さな道具類などを、一文引く「十九文見世(みせ)」という安売りの店を始めた。

今の感覚で言えば「980円」とか、「98円」の世界だ。ちょっとお釣りの来る快感が、お客さんを呼んだようで、たちまち繁盛していった。

後世、でーぶの子孫は「価格破壊」をスローガンとし拡張路線を進め、現在では某スーパーとして全国的に展開している。

ひとつ!この仕事を通じて、お客さま全てのより豊かな暮らしに奉仕致します。

ひとつ!真心を込めて、よい品をどんどん安く売る事を働き甲斐と致します。

ひとつ!人を愛し、店を愛して、日々美しい努力を続けます。

この誓いの言葉を、朝礼で唱和しているそうだ。

──つづく。

今回のおすすめN3は、第5648回終了
現在、第5589回より59回出現なしの
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