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[「必当☆予想人V」第1話]

2020年6月10日
第5447回[202]を[02]ミニ当せん♪
ご無沙汰スペース「2」狙いでした。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
人の情けと浮き世の狭間……
流した涙もあるけれど……
やっぱりこの世は金次第……
予想人☆富くじ当てます!?

チャララ〜ン♪(トランペットの音)

江戸には、当たらぬ恨みを晴らす予想人と呼ばれる闇の稼業が密かに存在していた。

元締め「ほずみ」の富くじを当てるため、4人の予想師が立ち上がったのだ。


梅雨の最中の細かい雨は、いっこうにやむ気配を見せない。かちかち山の木々やほこらの上にも、じわじわと降り続けている。あまりにも小さすぎて一つ一つの正体は見えない。まるでコロリ菌のような雨粒は、そで口やすそからいつのまにか忍び込んできて、お里の身体を少しずつ冷やしていく。

番傘を閉じ、灰色の空を見上げると、ほこらの横の柿の木から、雨雫が依頼の便りの上にポトリと落ちた。銭330文を置くと、お里は冷たくなった腕をさすりながら歩き去った。

「祇園の月」というあんにお団子が入ったお菓子を口にしながら、「お里姉さん、雨の中どこに行ってたの?」と、おたかはんは言った。

「弥生(三月)から、コロリ菌の感染が広がり、外出自粛で客も減り、夜の商売もお手上げでさ……、大金がほしくて、うわさの予想人とやらに、富くじの予想を頼んで来たよ」とお里は言
った。

「それよりもおたかはん、そんなに祇園の月ばかり食って……だいじ?」

「?だいじ?大切?」おたかはんは意味がわからず首をひねった。

お里は、いちごやかんぴょうで有名な下野国(現在の栃木県)の出身である。

「だいじは大丈夫っつう意味だんべ。だからいっペー食って大丈夫け?と言ったんさ」

「なーんたいしたことないちゃ」お腹をポンとたたいて、おたかはんはそう言うと、また祇園の月を口にほうり込んだ。


必当予想人たちは、三密(密閉、密集、密接)にならないように、距離を取り合って、お里への依頼予想数字を話し合っている。

「今回は、一番弟子の浮世絵師ゴロに任せようと思う」髪結いのパラ親分は言った。

ゴロの必当ワザは、「語呂合わせ」と「小筆回し」である。記号や数字を書いて予想するので、わかりやすい。

「ぱら親びん!合点承知之助だい。んだば、来週は三つの密じゃなくて、三つの桁を足して出そうな数字を図面に描いてきやしょう」とゴロは言った。

「では、来週予想数字を決定するってことで、今夜はこれで解散だよ」まるでミイラのようにさらしで顔を覆った請負人の新生菜は言った。

新生菜のひざの上で寝ていた愛猫ちびが、目をさまし大きな背伸びをする。

予想人たちが長屋を出ると、歩いている人はまばらでみんな手ぬぐいで口を覆っている。

「早くコロリが終息しますように」とよろずやのでーぶは言った。


──つづく。

今回のおすすめN3は、第5450回終了現在、第5373回[461]より77回出現なしの[14]ペア狙いで、10点。

[041][141][241][341][441]
[541][641][741][841][941]


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第5447回[202]を[02]ミニ当せん♪
ご無沙汰スペース「2」狙いでした。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
人の情けと浮き世の狭間……
流した涙もあるけれど……
やっぱりこの世は金次第……
予想人☆富くじ当てます!?

チャララ〜ン♪(トランペットの音)

江戸には、当たらぬ恨みを晴らす予想人と呼ばれる闇の稼業が密かに存在していた。

元締め「ほずみ」の富くじを当てるため、4人の予想師が立ち上がったのだ。


梅雨の最中の細かい雨は、いっこうにやむ気配を見せない。かちかち山の木々やほこらの上にも、じわじわと降り続けている。あまりにも小さすぎて一つ一つの正体は見えない。まるでコロリ菌のような雨粒は、そで口やすそからいつのまにか忍び込んできて、お里の身体を少しずつ冷やしていく。

番傘を閉じ、灰色の空を見上げると、ほこらの横の柿の木から、雨雫が依頼の便りの上にポトリと落ちた。銭330文を置くと、お里は冷たくなった腕をさすりながら歩き去った。

「祇園の月」というあんにお団子が入ったお菓子を口にしながら、「お里姉さん、雨の中どこに行ってたの?」と、おたかはんは言った。

「弥生(三月)から、コロリ菌の感染が広がり、外出自粛で客も減り、夜の商売もお手上げでさ……、大金がほしくて、うわさの予想人とやらに、富くじの予想を頼んで来たよ」とお里は言
った。

「それよりもおたかはん、そんなに祇園の月ばかり食って……だいじ?」

「?だいじ?大切?」おたかはんは意味がわからず首をひねった。

お里は、いちごやかんぴょうで有名な下野国(現在の栃木県)の出身である。

「だいじは大丈夫っつう意味だんべ。だからいっペー食って大丈夫け?と言ったんさ」

「なーんたいしたことないちゃ」お腹をポンとたたいて、おたかはんはそう言うと、また祇園の月を口にほうり込んだ。


必当予想人たちは、三密(密閉、密集、密接)にならないように、距離を取り合って、お里への依頼予想数字を話し合っている。

「今回は、一番弟子の浮世絵師ゴロに任せようと思う」髪結いのパラ親分は言った。

ゴロの必当ワザは、「語呂合わせ」と「小筆回し」である。記号や数字を書いて予想するので、わかりやすい。

「ぱら親びん!合点承知之助だい。んだば、来週は三つの密じゃなくて、三つの桁を足して出そうな数字を図面に描いてきやしょう」とゴロは言った。

「では、来週予想数字を決定するってことで、今夜はこれで解散だよ」まるでミイラのようにさらしで顔を覆った請負人の新生菜は言った。

新生菜のひざの上で寝ていた愛猫ちびが、目をさまし大きな背伸びをする。

予想人たちが長屋を出ると、歩いている人はまばらでみんな手ぬぐいで口を覆っている。

「早くコロリが終息しますように」とよろずやのでーぶは言った。


──つづく。

今回のおすすめN3は、第5450回終了現在、第5373回[461]より77回出現なしの[14]ペア狙いで、10点。

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