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[ 「My Library!」60]

2022年3月9日
『 My Library 』へようこそ〜♪本が教えてくれるのは、「人は、一生のうちで一度の人生しか生きられない。しかし本は、また別の人生があることを我々に教えてくれる。たくさんの小説を読めばたくさんの人生を体験できる。そうするとたくさんの人の気持ちもわかるようになる」「喜んでる人の話、怒ってる人の話、悲しんでる人の話、困ってる人の話、そういう話をいっぱい読む。すると、少しずつだが、そういう人々の気持ちがわかるようになる」。では今回のおすすめ本は……。


■『家族じまい』桜木 紫乃(著)

子育てに一区切りついた智代のもとに、突然かかってきた妹・乃理からの電話。「ママがね、ぼけちゃったみたいなんだよ」新しい商売に手を出しては借金を重ね、家族を振り回してきた横暴な父・猛夫と、そんな夫に苦労しながらも共に歳を重ね、今は記憶を失くしつつある母・サトミ。親の老いに直面して戸惑う姉妹と、さまざまに交差する人々。夫婦、親子、姉妹……家族はいったい、いつまで家族なのだろう。北海道を舞台に、家族に正面から向き合った5編からなる連作短編集。

姉妹の葛藤、一家を振り回した父親の思い、そういった言葉にできないモヤモヤしたものが絶妙な言葉の端々から浮き上がってくる。ラストのプリンのくだりは泣けました。とても心に響いてくる小説だったなぁ。2人を単位として始まった家族は、子どもを産んで巣立ちを迎え、また2人に戻る。そして最後は1人に。家族をどう仕舞うのか?自分にもこれから訪れる親の介護や自分の老い、妻や子どもたちの関係など……、これらの問題を自分はどう仕舞うのか、色々考えさせられました。
おすすめ度は、★4つ。


■『エレジーは流れない』三浦 しをん(著)

しをんさんの小説はほとんど読んでいるが、『愛なき世界』以来久しぶりに手に取った。表紙と裏表紙が、この町、餅湯の地図になっていて、確認しながら読んだ。さびれた温泉街のお土産屋の息子の怜、同じ地元の高校に通う幼馴染たちと、毎日高校生らしい?日々を送っている。父親が不在で母親が2人。月の第3週には、お金持ちの桜丘のお母さんの家に行く怜。複雑な家庭にもかかわらず、竜人やマルちゃんら友人たちとの会話は、バカバカしさも相まって、クスクスと笑いながら読めた。
博物館の土器窃盗事件に神社での暴れ祭り。進路や自分の出生の謎に悩みつつも楽しそうな毎日を送る。怜の父親が突然現れたときには、商店街中で騒ぎになり、「危機管理グループ」がつくられる……。温泉のようにぬるくてゆるい、ちょっと物足りない小説だった。
おすすめ度は、★3つ。


――つづく。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

今回のおすすめN3は、第5901回終了現在、第5849回より52回出現なしの3けたプラス[11]狙いで、全14点。

[029] [056] [074] [083] [128]
[146] [155] [173] [191] [236]
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『 My Library 』へようこそ〜♪本が教えてくれるのは、「人は、一生のうちで一度の人生しか生きられない。しかし本は、また別の人生があることを我々に教えてくれる。たくさんの小説を読めばたくさんの人生を体験できる。そうするとたくさんの人の気持ちもわかるようになる」「喜んでる人の話、怒ってる人の話、悲しんでる人の話、困ってる人の話、そういう話をいっぱい読む。すると、少しずつだが、そういう人々の気持ちがわかるようになる」。では今回のおすすめ本は……。


■『家族じまい』桜木 紫乃(著)

子育てに一区切りついた智代のもとに、突然かかってきた妹・乃理からの電話。「ママがね、ぼけちゃったみたいなんだよ」新しい商売に手を出しては借金を重ね、家族を振り回してきた横暴な父・猛夫と、そんな夫に苦労しながらも共に歳を重ね、今は記憶を失くしつつある母・サトミ。親の老いに直面して戸惑う姉妹と、さまざまに交差する人々。夫婦、親子、姉妹……家族はいったい、いつまで家族なのだろう。北海道を舞台に、家族に正面から向き合った5編からなる連作短編集。

姉妹の葛藤、一家を振り回した父親の思い、そういった言葉にできないモヤモヤしたものが絶妙な言葉の端々から浮き上がってくる。ラストのプリンのくだりは泣けました。とても心に響いてくる小説だったなぁ。2人を単位として始まった家族は、子どもを産んで巣立ちを迎え、また2人に戻る。そして最後は1人に。家族をどう仕舞うのか?自分にもこれから訪れる親の介護や自分の老い、妻や子どもたちの関係など……、これらの問題を自分はどう仕舞うのか、色々考えさせられました。
おすすめ度は、★4つ。


■『エレジーは流れない』三浦 しをん(著)

しをんさんの小説はほとんど読んでいるが、『愛なき世界』以来久しぶりに手に取った。表紙と裏表紙が、この町、餅湯の地図になっていて、確認しながら読んだ。さびれた温泉街のお土産屋の息子の怜、同じ地元の高校に通う幼馴染たちと、毎日高校生らしい?日々を送っている。父親が不在で母親が2人。月の第3週には、お金持ちの桜丘のお母さんの家に行く怜。複雑な家庭にもかかわらず、竜人やマルちゃんら友人たちとの会話は、バカバカしさも相まって、クスクスと笑いながら読めた。
博物館の土器窃盗事件に神社での暴れ祭り。進路や自分の出生の謎に悩みつつも楽しそうな毎日を送る。怜の父親が突然現れたときには、商店街中で騒ぎになり、「危機管理グループ」がつくられる……。温泉のようにぬるくてゆるい、ちょっと物足りない小説だった。
おすすめ度は、★3つ。


――つづく。

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今回のおすすめN3は、第5901回終了現在、第5849回より52回出現なしの3けたプラス[11]狙いで、全14点。

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